真理子さん
真理子 さん
こちら山陰は古代出雲の国にちなんで古事記の舞台が至る所に残ってます。
島根半島の東側に美保神社というのがあり、コトシロヌシが祀ってあって、オオクニヌシの息子になります。
オオクニヌシは大黒様、コトシロヌシはえびす様になって七福神のメンバーに名を連ねていますね。
出雲大社にはオオクニヌシが祀ってあるから、ここ美保神社はさしずめ支店と言った感じです。
古事記によればコトシロヌシは、「国譲り」のくだりで高天原の使者から国譲りを迫られて、「この国は天つ神の御子に奉り給へ・・」と返事をして国譲りが成立した。となっています。当然、出雲人は誰もそんなことは信じていません。「大和政権との戦いに敗れて泣く泣く国を明け渡した。そしてその責任者であるコトシロヌシは海に身投げをして自殺した。」と言うのが地元の定説です。
毎年12月にここ美保神社前の海上で「諸手船神事」が行われます。その神事には「国を奪われた屈辱とコトシロヌシの無念さを子々孫々まで絶対忘れまい」という出雲人の怨念が込められています。それが2000年近くも脈々と受け継がれている訳だから、その恨みの深さはいかばかりでしょう。